不妊治療  ·  26日 8月 2023

無精子症とは？原因と治療法を徹底解説

無精子症の定義と種類

妊活を始めたカップルにとって、不妊の原因が男性側にあることはショックなことかもしれません。特に、精液中に精子が全く見つからない「無精子症」は、男性の自信や健康にも影響を与える可能性があります。しかし、無精子症は必ずしも不治の病ではありません。種類や原因によっては、治療や生殖補助医療（ART）で妊娠の可能性を高めることができます。この記事では、無精子症の定義と種類について詳しく解説します。

無精子症とは何か

無精子症とは、射精した精液中に精子が一匹も見られない状態を指します。日本人男性の約100人に1人が無精子症であると言われており、男性不妊の20～30%を占めています。無精子症は自然妊娠をほぼ不可能にするため、早期に発見して適切な対処をすることが重要です。

無精子症の診断方法

無精子症は、精液検査で診断されます。精液検査では、射精した精液を顕微鏡で観察して、精子の数や運動性、形態などを調べます。通常は2回以上の検査を行って、どちらも確認できない場合に無精子症と診断されます。ただし、一度の検査で無精子症と決めつけることはありません。禁欲期間や採取方法などによって結果が変わることもあるため、複数回受けることが推奨されます。

原発性無精子症と二次性無精子症

無精子症には大きく分けて2種類あります。原発性無精子症と二次性無精子症です。これらの違いと特徴を見ていきましょう。

原発性無精子症

原発性無精子症とは、生まれつきまたは後天的な要因で、精巣で十分な量の正常な精子が作られないために起こる無精子症です。原発性無精子症の主な原因は以下の通りです。

  • 先天的な異常：染色体異常（クラインフェルター症候群など）、先天性欠損（先天性欠如型無精巣症候群など）、先天性代謝異常（先天性副腎皮質過形成など）など。
  • 外傷：睾丸外傷（事故やスポーツでの衝撃など）、睾丸捻転（睾丸がねじれて血流が阻害されること）など。
  • 感染症：おたふくかぜや淋菌感染などによる精巣炎や副睾丸炎など。
  • 遺伝的な要因：Y染色体の欠失や変異など。

原発性無精子症の治療法

原発性無精子症の治療法は、原因によって異なります。一般的には、以下のような方法があります。

二次性無精子症

二次性無精子症とは、過去には正常な精子を作っていたが、何らかの要因でその能力が低下したために起こる無精子症です。二次性無精子症の主な原因は以下の通りです。

  • ホルモン分泌異常：下垂体や視床下部などの脳内の器官や甲状腺などの内分泌器官に障害があると、精子形成を促すホルモン（FSHやLHなど）の分泌が減少し、無精子症になることがあります。
  • ストレス：ストレスは自律神経やホルモンバランスに影響を与えるため、無精子症の原因になることがあります。特に長期間にわたるストレスは危険です。
  • 薬物：抗がん剤やステロイド剤などの薬物は、精巣にダメージを与えて無精子症を引き起こすことがあります。また、アルコールやタバコ、ドラッグなども精子形成に悪影響を及ぼします。

二次性無精子症の治療法

二次性無精子症の治療法は、原因によって異なります。一般的には、以下のような方法があります。

  • ホルモン補充療法：ホルモン分泌異常が原因の場合は、ホルモン補充療法で改善する可能性があります。ただし、効果は個人差がありますし、副作用もあるため、注意が必要です。
  • 生活改善：ストレスや薬物が原因の場合は、生活習慣の見直しやカウンセリングなどで改善する可能性があります。睡眠や食事、運動などのバランスをとり、精神的な安定を保つことが大切です。
  • 手術や生殖補助医療（ART）：原発性無精子症と同様に、精巣内に精子がある場合は顕微鏡下精巣内精子採取術（Micro-TESE）で採取して、体外受精や顕微授精などの生殖補助医療（ART）に用いることができます。また、第三者からの精子提供や養子縁組といった方法もありますが、倫理的や法的な問題もありますので、十分なカウンセリングや相談が必要です。

  • 妊活中の無精子症の対処法

    妊活中に無精子症が発覚した場合は、ショックや落ち込み、自己嫌悪などの感情に苛まれることもあるでしょう。しかし、無精子症は決してあきらめるべきではありません。妊活中の無精子症に対する対処法を見ていきましょう。

    心理的なサポートやカウンセリング

    無精子症は男性だけでなく、パートナーや家族にも影響を与えることがあります。そのため、心理的なサポートやカウンセリングを受けることが大切です。以下のような方法があります。

    • パートナーや家族とのコミュニケーション：無精子症は一人で抱え込まずに、パートナーや家族と話し合うことが重要です。パートナーや家族はあなたを支えてくれる存在ですし、一緒に解決策を探すこともできます。
    • 専門家や仲間との相談：無精子症に関する正しい知識や情報を得るために、専門家や仲間と相談することも有効です。専門家は医師や看護師、カウンセラーなどがあります。仲間は同じような悩みを抱える人たちや、経験者や支援者などがあります。インターネット上にも多くのコミュニティやサイトがあります 。

    最新の治療法や成功事例

    無精子症は治る可能性があることを忘れないでください。最新の治療法や成功事例を知ることで、希望を持つことができます。以下のような方法があります。

    • 最新の治療法：医学技術の進歩により、無精子症の治療法は日々進化しています。例えば、幹細胞から精子を作る「人工精子」 や、睾丸から取り出した未成熟な細胞から成熟させた「後成精子」 などの技術が開発されています。これらの技術はまだ臨床応用には至っていませんが、将来的には無精子症の救世主になる可能性があります。
    • 成功事例：無精子症でも妊娠に成功した人たちの事例を知ることで、勇気やヒントを得ることができます。インターネット上にも多くの成功事例があります 。ただし、成功事例はあくまで個人の体験であり、全ての人に当てはまるとは限りません。自分の状況や希望に合った方法を選ぶことが大切です。

    妊活以外での無精子症の影響

    無精子症は妊活だけでなく、男性の生活全般に影響を与える可能性があります。無精子症が男性の健康や自信、パートナーや家族との関係に与える影響について見ていきましょう。

    男性の健康や自信への影響

    無精子症は男性の健康や自信に悪影響を及ぼすことがあります。以下のような影響が考えられます。

    • 健康への影響：無精子症は精巣以外の器官にも障害があることを示す場合があります。例えば、染色体異常やホルモン分泌異常などは、心臓や血管、骨などにも影響を与える可能性があります 。また、無精子症によるストレスや不安は、睡眠障害やうつ病などを引き起こすこともあります 。
    • 自信への影響：無精子症は男性の自信や自尊心にダメージを与えることがあります。特に、子孫を残すことや性的な能力などを男性らしさの象徴とする人は、無精子症によって自分の価値や存在意義を失うこともあるでしょう 。

    パートナーや家族との関係への影響

    無精子症はパートナーや家族との関係にも影響を与えることがあります。以下のような影響が考えられます。

    • パートナーとの関係：無精子症はパートナーとの関係にもストレスや摩擦を生むことがあります。例えば、パートナーから責められたり、見下されたりする恐怖や罪悪感を感じることもあるでしょう 。また、パートナーから理解や支援を得られない場合もあるでしょう 。
    • 家族との関係：無精子症は家族との関係にも問題を引き起こすことがあります。例えば、家族から圧力や期待を感じたり、非難されたりすることもあるでしょう 。また、家族から秘密にしたり、遠ざけたりすることもあるでしょう。

     

    まとめ

    この記事では、無精子症の定義と種類について詳しく解説しました。無精子症は精液中に精子が一匹も見られない状態で、男性不妊の20～30%を占めると言われています。無精子症には原発性無精子症と二次性無精子症の2種類があり、原因や治療法は異なります。無精子症は妊活だけでなく、男性の健康や自信、パートナーや家族との関係にも影響を与える可能性があります。しかし、無精子症は必ずしも不治の病ではありません。最新の治療法や成功事例を知ることで、希望を持つことができます。また、心理的なサポートやカウンセリングを受けることで、ストレスや不安を軽減することができます。無精子症は一人で抱え込まずに、パートナーや家族、専門家や仲間と話し合うことが大切です。

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    以上でこの記事は終わります。最後までお読みいただきありがとうございました。この記事があなたの妊活や無精子症に関する知識や理解に役立ったら幸いです。またお会いしましょう。

カテゴリ： 妊活, 治療, 不精症